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ドイツの企業年金

ドイツでは誕生日が来ると同時期に年金組合からレターが送られてきます。
毎年これを機に、普段はほとんど気にする事のない年金のコトが頭をよぎります。

そのレターには現在の拠出金額をこのまま維持していった場合の受給金額が記載されています。その金額を目にするとため息がでるのですが、今後も高齢化現象が進行すればその金額も減少してしまう可能性がある訳で、そう思うとますますため息が出ます。。。その上ドイツでの受給開始年齢は65歳ですが、2030年辺りには67歳まで繰り上げられる予定とのこと。我々の世代が受給される時代が状況は深刻になるだろうとの見解も出ているくらいです。公的年金だけでは生きていけないのはドイツでも同様です。

そこで私的年金の重要性が見えてくるのですが、その中でも企業年金はドイツでも加入が一般的になっているようです。私がドイツで初めて就職した会社には当時企業年金制度がなく、当時勤続年数の長い現地スタッフの方々が長期間企業年金採用に向けて会社側に働きかけ、最終的に採用になった経緯があります。当時勤務していた私にもお話を頂き加入させてもらいました。あれから転職し新規スタッフとして採用された子会社立ち上げの際に、当時加入していた生命保険会社を紹介させてもらい現在の会社にもその保険会社を通して企業年金を続けてもらっています。

以下引用ーー

ドイツにおける企業年金の現状
○一般被用者については、一般年金保険に加入するほか、企業年金に加入するのが一般的である。
○2001年の年金改革により賃金転換制度(被用者が自らの賃金を原資に企業年金を設定することを使用者に求める権利 を保障)が導入された結果、2004年1月時点で賃金転換制度を活用できることとなった被用者は2000万人(労働 協約を結んでいる全被用者の80%)に達したといわれている。

ーー引用終わり

調べてみるとドイツの企業年金にはいくつかのタイプがあるみたいです。

ーー以下引用

1年金基金(全体の21%)
・法的に独立した基金を労使の拠出により創設する制度(外部積立型)。
・拠出建ての提供が可能。
・保険監督局の監督対象であり、厳しい運用規制下に置かれる。

2直接保険(全体の13%)
・事業主が従業員に対し、生命保険により企業年金を提供する制度(外部積立型)。
・拠出建ての提供が可能。
・給付リスクは生命保険会社が負う。
・保険監督局の監督対象であり、厳しい運用規制下に置かれる。

3ペンションファンド(全体の0.1%)
・法的に独立した基金を創設する制度(外部積立型)。
・拠出建ての提供が可能。
・2002年に新たに創設された制度であり、保険監督局の監督対象であるが、運用規制が緩やかであることが特徴。

4引当金制度(全体の59%)
・事業主の資産と年金資産が分離されていないいわゆる自社年金制度(内部留保型)。
・拠出建ての提供は不可。
・保険監督局の監督対象外であり、運用規制等はほとんどない。

5共済基金制度(全体の7%)
・法的に独立した基金を事業主拠出により創設する制度(外部積立型)。
・拠出建ての提供は不可。
・保険監督局の監督対象外であり、運用規制はない。

ーー引用終わり

私の会社は2直接保険を採用してくれています。
この企業年金の興味深いのは、基本的な仕組みとして本人掛金額は、所得税や社会保険料の算定対象となる賃金から控除されるところにあります。控除されたことで、本来税として払うべき分が企業側としては節約できるわけですが、私の会社はその節約できたであろう分を会社側負担として認めてくれています。そんなからくりです。私の会社は規模がまだまだ小さいのでこういった直接保険採用が労働者に対して限度の提供の仕方なのでしょうが、大企業になると1年金基金からの支給形態が一般的なようですね。

ただ、企業年金をコツコツと積み立てていても、今後の状況次第で確定した受給金額なんて存在しないのも同然とのこと。そういった不確定要素が多い中でも地道に自分への投資を続けていくことが大事なのでしょうね。
by riritanoheya | 2015-12-14 22:23 | くらし